「理想の家づくり」に必要なこと

マイホームを建てようとしている人にとって、家づくりは大きなイベントです。

 

めったにないイベントですから、家づくりのプロセスを思い切り、楽しんで欲しいと思っています。

 

しかし私が隔月で開催している、某建材メーカーの相談会に相談に来られる方は、皆さん、例外なく疲れ気味です。

 

不安で不安で、いてもたってもいられないから、この相談会をネットで探してやってきました、という人もいます。

 

多くの人にとり、はじめて建てる家。
理想の家を実現するため、やれることは全てやりたいと思うその気持ち、よーく分かります。

 

さらに、今はネットであらゆる新しい仕様や工法についての情報を入手できます。

 

免震、制震、長期優良、外張り断熱、空気清浄システムに床暖房に温水暖房など、気になる設備や仕様について、メーカー側の説明だけでなく、体験者の意見まで知ることが出来ます。

 

より、いい家にしたいと、ネットで情報を集めると、色んな仕様に目移りします。

 

そして、既に決めた仕様について否定的な意見を見ると、不安な気持ちになります。

 

話し合う家族のイメージ

 

家を建てる人にとって最近の家づくりは、大量に集まってくる情報をいかに整理し、自分の家づくりにプラスに応用するかが、メインの作業であるような気がします。

 

上にも書きましたが、それなりにアンテナを張っていれば、いい情報、新しい情報はいくらでも集めることが出来ます。

 

しかし、その全てを自分の家で実現できるかというと、それはかなり難しいといわざるを得ません。

 

予算の問題、敷地の制約の問題など、「やりたくてもできない」仕様は山ほどあるからです。

 

その中から、本当に実現したい、他を削ってでも取り入れたいものを選択し、いらないものを取捨選択する。

 

このプロセスをクリアするための、ブレないハートを維持することが、家づくりにおいて、大きな比重を占めるようになっています。

 

では、その「ブレないハート」の拠り所は何なのか。

 

家づくりを体験した多くの人のケースを見て、私が思うのは、ある段階で他人目線を排除して、自分たちが大切にしているものを見失わなかった人は、家づくりがうまくいっているような気がします。

 

「自分たち家族は、こういうタイプだ」

 

「だから、ここだけは、こだわった」

 

建った後、こう堂々と言える家は、その後何十年たっても家族に愛され、メンテナンスされ、家族の自慢として語り継いでいかれるのです。

 

 自分たちがどんな家族か分かっていて、家族が優先したいこと、大切にしていることを家の間取りや設備、仕様に反映することが出来たら、多少あきらめた設備があったとしても、後の後悔が少ないようです。

 

「こだわりの家づくり」というと、なんとなくお金がかかる気もするし、最近はありふれたイメージもあるしで、ピンとこない人も多いと思います。

 

でも、そんなややこしいものではなく、自分たちがどうありたいか、家づくりを通して何を実現したいかを明確にしておけば、自然とその家は「こだわりの家」になるはずです。

 

それさえ聞いておけば、家づくりのプロは、間取りや仕様をそれに合わせますから。

 

「理想の家づくり」の第一歩は、まず自分たち家族のタイプを見極めることから。
そして、自分たちが大切にしているものを明確にすること。

 

スタート時に、この点をよく話し合っておくと、後々効いてきますよ。