新しく住まいを建てる方へ、お伝えしたいことがあります。
私・和田裕は、個人住宅の設計が好きで、得意としている建築家です。
多くの住宅設計を通して、私が家づくりに関して確信していることがあります。
それは、以下の2点につきます。
ひとつは、
「『自分らしい家』を目指すと、家づくりは失敗しない」
もうひとつは、
「『家族関係がよくなる家』は、住み手を幸せにする」
です。
家づくりのプロセスで、この2つのポイントを忘れず、住まいのプランニングに
反映していけば、とてもいい家になります。
家づくりは楽しく、ワクワクする経験になるのですが、一方で建て主にとっては不安もいっぱい。
その上、建て主側がすること、決めることがたくさんあります。
忙しい中、家づくりに必要な情報を集め、プランや他の細かいことまで決めていくのは、慣れていない人には大変です。
スケジュールと決断の連続に追われ疲れてしまい、何のための家づくりなのか、そして誰のための家なのか、見失ってしまう人も多いのです。
だからこそ、「自分らしい家」と「家族関係を深める家」。
この2点さえ、要所要所で思い出せれば、家づくりに失敗することはありません。
- 「自分らしい家」をつくるには
「自分らしい家」をつくるのは、簡単なようで難しいものです。
まず、「自分らしさ」が何なのか、を知っていることが大切です。
趣味を大事にしている人や、普段から価値観がはっきりしている人にとっては簡単ですが、
普段忙しく過ごしている普通の人が、改めて「自分らしさ」を思い出そうとすると、これが思いのほか、出てこないものです。
私がクライアントとその家族と打ち合わせしていて、一番意識しているのは「この人らしさって、何だろう」と考え、答えを見つけることです。
本人は気づいていないことでも、事前の打ち合わせで話しているだけで、おおよその見当はつきます。
人によって、家族のことが大事だったり、趣味が大事だったり、安全安心であることを大切にしている人もいます。
家の中に重きを置く人、アウトドアが何よりも好き、という人もいます。
または、家族のルーツや、地域との繋がりを大事にしている人もいます。
その人らしさが分かったら、後はそれを住まいのデザインに反映するのが私の仕事です。
この場合のデザインとは、住まいの間取りや構造、外観、設備など多岐に渡ります。
多くの人は間取決定に気をとられ、「外観」を軽視しがちですが、「外観」でその人らしさを表現するのは、プロの大事な作業だと考えています。
私が、一緒に「あなたらしさ」を見つけ、それをデザインで表現します。
- 「家族関係がよくなる家」をつくるには
家には、家族関係をよくする役割もあります。
しかし作り方によっては、家族のコミュニケーションが希薄になる間取もあります。
たとえば、お父さんや子供が、自室にこもりきりになり、家族と没交渉になってしまうケースなどです。
家族で住むための家ですから、自分のことだけを優先していては、家族がただの同居人になってしまいます。
家族で住む家を設計するのですから、家族の誰かが浮いた存在にならないよう、プランニングには注意する必要があります。
「自分らしさ」を追求しながら、家族関係をよくする知恵を盛り込むことを、私は大切にしています。
「コミュニケーションが弾むリビング・ダイニング」は、家族関係を考えた場合に必須の機能です。
だからといって、プライバシーがないわけではありません。
趣味に没頭するお父さん、受験期を迎えた子供が部屋にこもりきりでも、家族の気配を感じる工夫をすることは可能です。
また、あなたらしさを表現した外観デザインにすることも、コミュニケーションをよくすることに繋がります。
戸建て住宅は、作り始めた時点で、近所の注目の的です。素敵な家に住む家族は、地域にとっても印象に残る存在ですから、地域との交流が生まれやすいのです。
地域との付き合いが、家族を更にアクティブにして、風通しの良い人間関係を育んでいくのです。
- 建築家のサポートが必要な理由
以上、家づくりで押さえておくべきポイントについて書きました。
スタート時には、誰もが張り切って取り組む家づくり。
しかし、打ち合わせを長期に渡り繰り返しているうち、確信が疑念に変わることもよくあります。
打ち合わせの繰り返しや、「調べすぎ」に疲れてくると、集めた情報同士の矛盾点に気づくこともあります。
せっかく調べた「マイ・ベスト・スペック」も、工務店やハウスメーカーで対応できなかったり、工事をする側に調査を依頼したのに、答えがいつまでたってももらえなかったりして、いらつくこともあります。
私のような住宅を得意とする建築家は、クライアントの要望に対して柔軟に対応します。
プラスアルファの提案をすることもありますし、頂いた情報の盲点も見つけます。
得られるだけの情報を「収集」し、「整理」する役割をします。
とかく情報過多となりがちな現代の家づくりにおいて、コスト面や性能の面でベストな提案が得られる。
これが建築家との家づくりの、大きなメリットです。
また、先に挙げた「自分らしさ」や「家族関係」といった家づくりのコンセプトを形にするのは、普通の人には難しいことです。
このような視点で「家」を捉えていないビルダーでも厳しい。
コンセプトを屋台骨として、間取りから外観までを決めていく、
常にそんな意識で家づくりに取り組んでいる建築家のサポートを得ることで、家族がいつまでも生き生きと過ごせる住まいづくりが実現します。
- 最後に
注文住宅の場合、自由に設計できる楽しさ、自在さがある一方で、スタート時には完成形を想像しづらい、という側面もあります。
これは注文住宅の宿命であり、カタログから製品を選ぶ作業とは根本的に異なります。
先が見えないのは、自由だけど不安だ。そんな気持ちもよく分かります。
建築家は常に家族と、家づくりのプロセスを見守る「伴奏者」でもあります。
形が見えない不安に対して、実物を見せることはできませんが、模型やCGを駆使して、様々な角度からのビューを表現することは可能です。
建築家と一緒に家づくりをすることで、あなたの不安が安心に変わります。
そして完成後には、深い満足感を得られるはずです。
家族が安心して過ごせる、あなたらしい住まいづくりを応援します。